穀物大国ウクライナ、輸出危機が世界脅かす
ロシアのウクライナ侵攻により、世界最大級の穀物供給国からの輸出が危機に陥っている。ウクライナの港湾から人影は消え、業者も取り扱いを停止した。
ウクライナは世界のトウモロコシ輸出の13%、小麦の12%を占める。ロシアの攻撃によりウクライナの穀物輸出に支障が生じれば、中国への供給が絶たれる恐れもある。一方で、すでに食料価格が跳ね上がり、経済がぜい弱な中東などの輸出先は対応を迫られている。
重要な穀物輸出拠点の港湾も含め、ウクライナ全土がロシアの空爆やミサイル攻撃にさらされており、ウクライナを出入りする民間貨物船の流れはほぼ止まった。
2月24日には黒海のウクライナ沖で、穀物大手カーギルのチャーター船が被弾した。同社によると、航行継続可能な状況で、負傷者も出ていない。
シカゴ商品取引所(CBOT)の小麦先物はここ1週間に約12%急騰した。
すでに食料価格が跳ね上がっている中でウクライナの穀物輸出が滞れば、主要顧客は極めて厳しい状況に追い込まれそうだ。
中国は穀物調達の多角化への取り組みでウクライナを中心に据えてきた。中国では養豚の奨励を受けてトウモロコシの需要が過去最高水準に伸びている。
2021年における中国のトウモロコシ輸入のうち、ウクライナは3割近くを占めた。ウクライナは大麦やヒマワリ油も中国に輸出している。
エジプトとインドネシアは、ウクライナ産小麦の最大の買い手で、それぞれ同国の小麦輸出量の15%以上を占める。トルコやパキスタンも大口の買い手だ。
世界最大の小麦輸入国のエジプトにとって、小麦が手頃な価格で手に入るかどうかは政治の安定を左右する死活問題だ。中東の民主化運動「アラブの春」が起こった2011年も含め、価格高騰で抗議デモが発生した。
ウクライナ自身にとって農業は経済の屋台骨だ。国旗の黄色は穀物畑を象徴している。穀物の輸出に支障が生じれば痛みは避けられない。
以上、Wall Street Journalより要約・引用しました。
https://www.wsj.com/articles/russias-ukraine-invasion-chokes-food-exports-from-global-breadbasket-11645798059?mod=Searchresults_pos2&page=1
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