日本マイクロソフト 週4日勤務で売上高4割向上
世界で最も労働時間が長い国の一つとされる日本で、マイクロソフトが興味深い実験を行った。
日本マイクロソフトは今年8月、柔軟な働き方の促進を目的とし、週休3日制を試験的に導入し、毎週金曜日を休業日にする実験を行った。結果、社員一人当たり売上高が40%上がったとの結果を発表した。金曜日の休業日は「特別有給休暇」として、正社員には給料が支払われた。 また、会議を最大30分までとしたほか、対面ではなくオンライン上でのやりとりを奨励した。
「賢く休む」
2017年の調査によると、月に80時間以上の残業を行う社員がいる企業は全体の4分の1近くに上る。たいていは残業代は支払われないという。
日本マイクロソフトが8月に行った週休3日制実施後のアンケートで社員の92%が同制度に支持を表明した。1カ月にわたったこの取り組みには副産物もあり、同社の8月の電力消費量が前年同月比23.1%、印刷枚数が58.7%、それぞれ減少した。
同社は今年の冬にも2度目の週休3日制実施を行う予定だが、「特別有給休暇」は設けない方針だという。その代わり、社員自身が有給休暇や年末年始休暇などを組み合わせて「賢く休む」よう奨励される。
週4日制勤務は、ストレスを減らし、過労を防ぐという利点がある。2018年には、ニュージーランドが週4日制勤務を試験的に導入したところ、ワークライフバランスの改善に成功したと発表している。
対照的な意見もある。中国ネット通販大手・アリババ集団の創業者の馬雲(マーユン、ジャック・マー)会長は、週6日は働くべきだと主張している。マー会長は今年4月、午前9時から午後9時まで週6日働く「996システム」を提唱し、このシステムで働く機会は人間にとって「恵み」だと発言した。
イギリスでは、最大野党・労働党がまとめた報告書で、週4日勤務は「非現実的」との結論が出ている。
職種、国の制度により、週休3日制がどのような環境においても定着する制度だとは考えにくい。ただ、マイクロソフトのような大手企業が長時間労働国の日本で行った実験が労働生産性向上の結果をもたらし、社員の支持も集めたことは「働き方改革」が叫ばれる日本において画期的と言えるだろう。
以上、BBCより要約・引用しました。https://www.bbc.co.uk/news/technology-50287391
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