スマートウオッチ市場、いよいよ黄金期へ
製品として定着もまだ必需品にはなっていない
スマートウォッチがもはや一時的な流行品でないのは確かだ。次に重要になってくる疑問は、果たして各メーカーがスマートウオッチを必需品に変えることができるかだ。
調査会社ビジブル・アルファがまとめたアナリスト予想によると、米アップルの「アップルウオッチ」の2018年売上高は推計99億ドル(約1兆1050億円)に上る。アップルウオッチの年間売上高は今後2年で150億ドルを超えるとアナリストはみている。最大の市場シェアを持つのはアップルだが、米フィットビットやガーミン、中国の華為技術(ファーウェイ)、韓国のサムスン電子など競合他社もスマートウオッチの売上高が伸びている。調査会社IDCが3月5日に発表したデータによると、2018年のスマートウオッチの世界的な販売台数は約5130万個と前年比54%増加した。
平均販売価格をかなり控え目に300ドルと見積もっても(アップル、ガーミン、サムスンの大半のモデルはもっと高い)、現在のスマートウオッチ市場の規模は150億ドルを超え、しかも急成長している。
またスマートウオッチは現在のところ、フィットネスバンド(腕輪型の活動量計)などの先行商品のように急速に頭打ちするような事態には陥っていない。フィットネスバンド最大手のフィットビットは、2016年に年間出荷数がピークに達した。フィットネスバンドの売上高を初めて計上してから5年後のことだ。同社はそこから続く不振を今も抜け出せず、2018年のデバイス全体の出荷台数は9%減少した。しかし、スマートウオッチの販売については、「Versa(ヴァーサ)」の旺盛な需要で437%も増加。6日にはヴァーサの新バージョンも発表した。スマートウオッチは今やフィットビットの総売上高の44%を占めている。
スマートウオッチ市場は拡大の余地がまだ相当あるとみられる。ほとんどのスマートウオッチはスマートフォンと連動させ、メッセージ通知などのサービスを提供できるようにしているが、スマホの販売台数は年間14億台を超える。しかし、スマートウオッチをそれだけ多くのユーザーにとって必要なデバイスにするには、価格を抑える必要がある。市場シェア40%を優に超えるアップルは、アップルウオッチの昨年の平均販売価格が約438ドルで、1000ドルを超えるものも11バージョンある。
健康管理関連の機能を増やすことも助けになるだろう。メーカーの中には、医療サービス提供会社と手を組み、デバイスや関連サービスの販売拡大が期待できるプログラムに取り組んでいる企業もある。それでも消費者の多くを購入に踏み切らせるにはまだ十分ではない。UBSが昨年終盤に実施した調査では、スマホユーザーの52%がスマートウオッチを購入する可能性は低いと答えた。いずれにせよ、市場には成長の余地がたっぷり残されているということだ。
以上、Wall Street Journalより要約・引用しました。https://www.wsj.com/articles/it-is-prime-time-for-smartwatches-11551875400?mod=searchresults&page=1&pos=1
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