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外資系ファンド、心通う企業再生 日本法人トップが奮闘

 

2016/9/16 日本経済新聞

tokyo-station-641769_960_720欧米に比べればまだまだかもしれないが、投資ファンドの存在感と、投資ファンドによる企業買収の有効性は、着実に日本にも浸透してきている。投資ファンドで活躍する人材も、同業界10年以上のキャリアを積んだプロが増えてきた。

外資系の投資ファンドが企業の成長支援で存在感を高めている。証券会社や商社出身の40~50代の日本法人トップたちは日々、投資先企業の経営改善に奮闘する。かつては「ハゲタカ」のイメージが先行したが、企業再生で実績を重ね、大企業の事業売却先としても名前が挙がる。トップに共通するのは「投資先との信頼関係が成功のカギ」との思いだ。

投資ファンドは企業を買収したうえで企業価値を高め、数年後に売却して運用益を得る手法をとる。世界的な緩和マネーの流入で運用規模が膨らみ、外資ファンドは日本企業にも照準を合わせてきた。

米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の日本法人を率いるのが平野博文社長(55)。強みは「日本企業の国際競争力を高められること」という。2014年に買収した医療機器大手パナソニックヘルスケアホールディングスは今年、独バイエルの血糖測定器事業を買収した。販路を世界に広げる狙い。KKRの広範な海外ネットワークが案件を引き寄せた。

平野氏は日興証券(現SMBC日興証券)の出身。社長候補と目されてきたが、日興の投資子会社のトップ時代に不正会計問題の責任をとる形で辞任を余儀なくされた。その後は米系コンサルティング会社に転じ、13年にKKRに入った。「復活」を果たした自らの歩みに重ねるように、企業の再生に懸ける思いは人一倍強い。特に「非中核部門のため、十分に成長ができていない大企業の子会社を支援したい」という。

KKR幹部から昨年、英ファンドのペルミラ日本法人に転じたのが藤井良太郎社長(41)。大蔵省(現財務省)を経て入社したゴールドマン・サックス証券で投資事業に関わった。その経歴が抱かせる冷徹なイメージとは裏腹に、本人の物腰はやわらかい。ファンドの認知度が高まったとはいえ、買収提案につれない経営者は少なくない。それでも諦めず「愚直に会って収益拡大の計画を理解してもらう」。ペルミラはブランド再生で実績がある。今年、日本でも店舗展開する化粧品メーカー、米ジョンマスターオーガニック(JMO)を買収した。健康志向で需要が急拡大するオーガニック化粧品でどう攻めるか。藤井氏の腕の見せどころだ。

日中韓に投資するMBKパートナーズの加笠研一郎日本代表(48)もゴールドマン出身だ。自己勘定投資部門が長く、ゴールドマンが出資した三洋電機に出向したことがある。夜は酒を酌み交わして三洋社員との信頼構築に努めた。だが、結局は半導体など複数の事業を売却せざるを得ず、苦い思いが残った。「会社と一緒に成長できる前向きな投資がしたい」。そんな思いから09年にMBKに転じた。不振企業でも「徹底的な顧客目線に立てば成長軌道に戻れる」と強調する。

外資ファンドの老舗が00年に日本に進出した米カーライル・グループだ。当時からのメンバーである山田和広日本代表(53、旧住友銀行出身)は、投資ファンドへの経営者の姿勢は少しずつ変化してきたと感じている。実績が積み上がるにつれ「提案に耳を貸してくれる経営者が増えた」。

主な投資対象とする従業員が数百~千人規模の中堅企業では「経営層の人材が不足している」という。こうした企業が「グローバルで活躍するのを助けられれば日本経済にも貢献できる」と山田氏は話す。

米ベインキャピタルの杉本勇次日本代表(47)も、国内ファンド業界では最古参の一人だ。92年に三菱商事に入社。バブル経済の崩壊で日本企業が次々と倒産していくのを目の当たりにして、企業をなんとか元気にしたいと98年にファンド業界に飛び込んだ。「日本企業は細かくきっちりサポートする方がうまくいく」が持論。投資したすかいらーくや雪国まいたけなどは杉本氏自ら取締役に就任している。今後は国際展開する日本企業にも積極投資していく考えだ。

以上、日本経済新聞より引用しました。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO07320710W6A910C1EAC000/?dg=1

 

www.nikkei.com
 外資系の投資ファンドが企業の成長支援で存在感を高めている。証券会社や商社出身の40~50代の日本法人トップたちは日々、投資先企業の経営改善に奮闘する。かつては「ハゲタカ」のイメージが先行したが、企業

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