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インテル、女性やマイノリティーの採用に注力 - 採用人材多様化に貢献した従業員には最大4000ドルのボーナスも

 

人材のダイバーシティ(多様化)を会社成長のコア戦略と掲げる企業は、特に米国IT系の会社で多いように見受けられます。米半導体大手インテルが導入した制度は、同社が人材多様化に本気で取り組んでいることを示しています。

workstation-405768_640インテルは、同社の従業員が、女性や性的・身体的マイノリティー、兵役経験者を同社の職に推薦すれば、通常の採用関連賞与の2倍の金額を支払うと明らかにしました。IT業界の人材多様化促進を目指すためです。

同社は従業員がこの多様化目標の達成につながる応募者を紹介する場合、最大4000ドル(約50万円)の賞与を提供します。インテルはプレス・リリースで、「当社は従業員の多様化促進に全力で取り組んでいる」とし、「才能ある人材の採用競争が激しい現在、多様かつ能力のある応募者を引き付けられるように、従業員に追加のインセンティブを提供している」と説明しました。

インテルは今年に入り、シリコンバレーの人材を更に多様化するために、今後5年間で3億ドル(約360億円)を投じると公約しました。女性や米国の労働人口の中で十分に活用されていないマイノリティーを2020年までに「完全に活用する」ことが目標だといいます。ただ、いったい何人程度のマイノリティー採用を目指すのか、数字は示していません。

インテルは女性やマイノリティーの労働者を引き付けるために、複数のIT企業大手と競争しています。例えば、フェイスブックやグーグルはIT分野の才能ある人材の供給不足問題に対処するため、大学や高校レベルからの才能発掘に資金投入しています。しかし、従業員の多様化につながる応募者の採用のために賞与を増やすと公約している企業は他にはありません。

social-media-550767_640インテルおよびITセクター全体でのこうした新たな取り組みの背景には、各社の従業員多様性を示す数字にほとんど変化が見られないことがあります。

インテルの人材多様性に関する2014年の統計では、同社の従業員のうち24%が女性でした。同社は圧倒的に白人とアジア系の従業員が多く、黒人従業員の割合は3.5%、ラテン系は8%となっています。同社の統計では兵役経験者の数字は示されていません。

ITセクターのサービスは全人類への汎用性が高ければ高いほどマーケットシェアの獲得につながります。そのためにはまず従業員の多様化を戦略として推し進めていく動きは今後も拡大していくことでしょう。

上記はWall Street Journalの記事を要約引用しました。

http://blogs.wsj.com/digits/2015/08/03/intel-doubles-up-on-hiring-women-and-minorities/

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