「組織は社会に価値を提供する」この責任を負うのがエグゼクティブです
ドラッカーに学ぶ、成果を上げるための価値観~働くことの意味が変わった
「今日の組織では、自らの知識あるいは地位のゆえに、組織の活動や業績に実質的な貢献をなすべき知識労働者は、すべてエグゼクティブである。」(P.F.ドラッカー『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳、ダイヤモンド社、2000年、67頁)
都内、高層ビルを見上げる路地の一角にあるフランス料理店。
決して派手な雰囲気やサービスはなく、通りからは至って普通の店構えに見えます。
しかし、このお店でランチやディナーを味わった人にはまた行きたいと思わせる「何か」が残るのです。
その「何か」とはなんでしょうか?
料理に使う旬の、質のいい素材はとにかく惜しまずいいものをお客様に、という思いが見て取れます。にもかかわらず、メニューの価格設定は非常に良心的であり、店内は心地よく清潔感にあふれ、自信と温かみを蓄えたシェフとソムリエのお給仕は決して過剰過ぎることはありません。
安心できる店ながら、常に変化や成長を見て味わうことができ、その結果、また訪れたくなるお店となるのです。突然、閉店したり、すたれたりすることなく充足した雰囲気を出し続けていく意気込みや覚悟を感じるのです。
エグゼクティブというと単に高級と解釈されがちですが、社会に意義のある価値を提供している点で、フランス料理店のこのシェフは間違いなくエグゼクティブと言えます。
外資系企業のアジア担当者が桜の季節に合わせて海外から訪れた際、日本支社に勤務する社員とともにランチをする機会が設けられました。
「日本も素晴らしいところだけど、世界中を出張してばかりで早く家に帰ってゆっくりしたい」、との会話から、まるでお城のような邸宅の写真を見せられ、いかにお金をかけて広大な土地を手に入れたか、そこに資産を費やして大きな家を建てたか、内部にはこだわりの高級調度品をあつらえているか、部屋数が有り余るほどであるかを滔々と語られてしまいます。
日本支社の社員は、自分が日々苦労して働いているのは、まるでこの上司を豪邸でふんぞり返らせるためなのかと思いたくなったと言います。
社会的に見れば、この上司はまさに世界をまたにかけたエグゼクティブそのものですが、部下や周囲を落胆させるような品位のなさはもってのほかではないでしょうか。
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[文責:株式会社コトラ 内田朋子]
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