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米国でも女性の管理職登用は「一人いれば十分」

 

米国でも女性の管理職登用は「一人いれば十分」

米国でも女性管理職が既に一人いる場合、他の女性が同じ社内でトップ5位の管理職に選ばれる確率は51%も低下するという新しいリサーチがUniversity of Maryland’s Robert H. Smith School of Business and Columbia Business Schoolより発表されました。

この調査結果に対する明確な理由はないものの、女性の管理職登用には「一人いれば十分」という無意識のバイアスが存在すると研究者は論述しています。

Diversityの考えが定着されていると思われるアメリカにおいても、女性管理職を一人さえ起用すれば会社の男女雇用機会均等の面目は保たれるという考えが無意識に存在するのかもしれません。

「男性管理職にしてみれば、女性管理職を一人登用すれば達成リストの一つをチェックできるのです。時間をさえて第二の女性管理職を指導し、育てる努力はあえてしません。」と研究に携わったCristian Dezso助教授は論じています。puzzle-535510_1280

S&P1500社の女性マネージャーの数は、確かに1992年の1.6%から、2011年の8.7%へと増加しました。しかし、社内のトップ5位の中には、女性が一名いるのみです。つまり、ほとんどの企業では女性管理職は一人しか必要とされていないのでしょう。男性は潜在的に女性が幹部に複数いることにより、会社経営に不利益が生じていると感じるか、男性の方が適任であると感じていると研究者は説明しています。

一方、女性が社長の場合は、女性管理職が複数存在する会社もありますが、多くの場合は、他の男性管理職の抵抗がありこれがなかなか実現できないのが現実です。

もし、幹部を目指している女性がいるならば、女性管理職が既にいない職場を探すことが望ましいかもしれません。

If there’s already a woman in the executive suite, it’s less likely another woman will ascend, new research finds.

iStock/Getty Images

http://blogs.wsj.com/atwork/2015/04/07/one-is-enough-why-there-arent-more-women-executives/

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