武田薬品、カナダ大手バリアントの胃腸薬事業買収を交渉 - 買収規模100億ドル
武田薬品工業がカナダの製薬大手、バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(ケベック州)は胃腸薬事業の買収交渉を進めている。買収規模は約100億ドル相当となるらしく、2014年に就任した武田のフランス人CEOのクリストフ・ウェバー氏は欧米での販売強化・成長が武田にとって非常に重要であると考えているようだ。数週間以内に買収合意の可能性があるという。
買収交渉の対象は、バリアントが2015年4月に参加に収めた米サリックス・ファーマシューティカルズ。同社は下痢止め剤や過敏性腸症候群の薬など消化器向けの製薬に強い。武田は「消化器」を「がん」「中枢神経」と並ぶ重点分野と位置付けている。武田はこの3分野に経営資源を投じるため、事業の選択と集中を進めている。15年12月に呼吸器薬事業を英製薬大手に売却することを決定。今年4月には特許切れ薬事業をイスラエルの後発薬世界大手と統合するなど非中核事業を切り離している。同時に、海外売上の成長を取り込むため、2008年に米ミレニアム・ファーマシューティカル、2011年にスイスのナイコメッド製薬を買収した。両買収の合計額は230億ドルに上る。
武田は今年春にも投資会社TPGキャピタルと組んでバリアント本体の買収を打診したが拒否された。
バリアントは2015年4月に約110億ドルでサリックスを傘下に収めたが、会計処理を巡る不祥事が明るみに出て財務基盤が悪化。債務圧縮を急いでいる。
事情に詳しい関係者によると、武田は約100億ドルでサリックスの買収を交渉。内訳は85億ドルの現金と、15億ドルの将来のロイヤリティー先払いであるらしい。
武田はバリアントとの買収交渉について直接のコメントは控えたが、11月2日、「重点領域において、常に複数の相手先と交渉を行っている」とのコメントを出した。
以上、Wall Street Journal及び日本経済新聞より要約・引用しました。
http://www.wsj.com/articles/japans-takeda-seeks-to-expand-overseas-1478069776
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ02H23_S6A101C1MM0000/?dg=1
www.nikkei.com
武田薬品工業がカナダの製薬大手、バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(ケベック州)と胃腸薬事業の買収交渉を進めていると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が1日夕(現
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www.wsj.com
A potential $10 billion deal to buy Valeant’s Salix business shows how Japan’s largest drugmaker by sales is betting on the U.S. and Europe for growth.
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