米国で増える社内養成CEO
日本の大企業では、社内育成された生え抜き社員が役員や社長(CEO)になる場合が多く、日産のように社外からCEOが就任するケースは稀でした。一方米国では、役員以上の役職は、それが一つのプロフェッショナルであり、社外の会社経営のプロたちが要職に就くということが珍しくありませんでした。
ただ、S&P500社の最近のCEO職を見る限り、米国におけるトレンドは変わってきているようです。昨年就任したS&P500社のCEO達は、5人中4人が社内からの抜擢でした。2012年と比較すると社内抜擢は20%以上の増加となります。
理由は二つあるようです。社内人材の方が、役員たちが次期CEO候補として目をつけやすく、早くから後継者確保に注力できること。そしてもう一つは極めてシンプルに、「社内生え抜きCEOの方が、会社の価値向上に適している」こと。
Wall Street Journal及び、人事コンサルティング会社Spencer Stuartの調査によると、会社で様々な経験を積んだ社員をCEOに抜擢している会社と、その会社の好業績には相関関係があることがわかっています。
もちろん、CEOへの道は簡単ではありません。S&P500社のCEOの75%は、海外オペレーションの経験を積んでいます。それも複数の国で長期に亘ってです。
Ford Motor Co.のMark Fields CEOは9年にわたって3か国で海外事業の責任者を務めました。海外勤務期間中に、彼は「すざましく変化するビジネス環境」に身を置きました。彼はそれを「凝縮されたオレンジジュースを飲んでいるようだった」と言います。海外勤務の9年の間、Fields氏はデトロイトのFord本社を頻繁に訪れ、本社の同僚たちと意思疎通を行うことにも注力しました。
上記はWall Street Journalより要約・引用しました。
http://www.wsj.com/articles/more-ceo-jobs-are-going-to-inside-candidates-1457433004
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