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閉鎖されるゴルフコース - 日本社会と時代の縮図

 

golf-928430_960_720狭い国土に乱立するゴルフコースは、日本のバブル期の象徴でした。しかし、淋しいことに、現在は一週間に1クラブのペースで閉鎖されています。閉鎖される日本のゴルフコースは、日本の人口構造問題の被害者であるという人々もいますが、ゴルフというスポーツそのものの位置づけが、日本人の中で変わってしまったようです。

 

ゴルフ業界で言われてきた「2015年問題」をご存知でしょうか。2015年、日本の産業界を牽引してきた第一次ベビーブーマー達の多くが定年退職を迎えました。定年後はますますゴルフをするのではないか・・・というゴルフ業界の期待は砕かれます。定年退職を迎えた多くのベビーブーマー世代が、定年後はゴルフからも引退する傾向を見せているからです。理由は「ゴルフは定期的にプレイするには高すぎるし、時間もかかりすぎる」からです。

 

「2015年問題」に対応するため、ゴルフ業界は若手にゴルフの魅力をアピールしようと試みました。しかし、日本の若年層がゴルフに持つイメージは、第一次ベビーブーマーが持つイメージとは全く異なります。第一次ベビーブーマーにとって、ゴルフはステータスの象徴であり、昇進するためには上司や顧客と週末にコースを回ることは避けられないキャリアパスでした。現代の若者にとって週末は自身の為に使うべき神聖な時間であり、仕事の為に上司や顧客としたくもないゴルフをするのは全くの論外になってしまったのです。

 

「これだけたくさんのゴルフコースを作った日本と、今の日本が同じ国だとは思えません。今の時代、週末朝早く起きてゴルフコースに行き、一日かけてコースを回るという時間に余裕のある人は多くないし、多くの人々にとって、仕事の為にゴルフをするというのはステータスではなく、雑用だという認識になっているようです」と東京広尾のゴルフウェアショップで働く店員は言います。

 

1990年代、ピーク時1370万人いたゴルフプレーヤーは、現在その半分に減少しています。現在でもプレーしている約690万人の内、17%以上が70歳以上の高齢プレーヤーです。その割合は今後も増えていくでしょう。そして、週末のコース料金は過去10年間で30%安くなりました。

 

solar-835894_960_720今年度だけで、既に50のコースが閉鎖しました。来年度も更に閉鎖は増えるでしょう。売りに出たゴルフコースの中には、90年代に80億円以上をかけて作られたコースもあります。売りに出されたゴルフコースは、太陽光発電業者等に買われ、全く別目的で再生することもあるようです。

 

以上、Financial Timesから要約引用しました。

 

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/80a83d7e-9a67-11e5-9228-87e603d47bdc.html#axzz3tiReFk5Q

 

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