ドイツ銀行、2年間で35000人削減へ
ドイツ銀行は10月29日、今後2年間で3万5千人を削減する計画を明らかにしました。ジョン・クライアンCEOをトップとする新体制下でのドイツ銀行抜本改革の一環となります。
同行は新戦略「ストラテジー2020」の下、投資銀行部門の従業員を50%削減する計画で、削減対象は「事業リスクがより高い国」が中心となる見通しです。アルゼンチン、チリ、ペルー、メキシコ、ウルグアイ、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、マルタなどでの一部または全ての銀行事業から撤退するほか、2016年までに非中核事業を整理する方針も明らかにしました。
削減される35000人の内訳は、正規従業員が9000人、社外契約コンサルタントなど6000人、そして資産売却による関連人員の削減が20000人となります。ドイツ銀行雇用者数は約10万人ですから、今回の削減の規模の大きさが伺えます。
ドイツ銀行の収入の8割は全顧客の3割から得ており、今後は顧客ベースを大幅縮小選択することになります。
他の欧州系銀行同様、ドイツ銀行を囲む環境は厳しく、2015年第三四半期は60億ユーロの純損失を計上。昨年度は920億ユーロの純損失を計上し、収入は昨年度同期比で7%下落しています。当局の規制強化や必要最低資本の増加、また米系銀行との競争がドイツ銀行の決算に追い打ちをかけています。当面は配当も停止することが発表されました。
一連の改革によるコスト削減効果を38億ユーロと見込んでいますが、2016年12月期を中心に総額30-35億ユーロのリストラ関連費用を計上する見通しです。
以上、Wall Street Journalから要約引用しました。
http://www.wsj.com/articles/deutsche-bank-posts-6-6-billion-loss-1446104427
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